2020年版!おすすめ人気クラシックバイク17選!現行から名車まで!

 

無機質な鉄とレトロさが醸し出す独自の世界観…クラシックバイクの良さを知ろう!

 

乗り心地や最高速度・近代的な装備などではなく、懐かしさを感じるデザイン性と鉄の塊感…。

 

クラシックバイクには、バイクのみならず「乗り物」を愛する方全てが抱く一種の厳かさがあります。

 

少し気取った言い方をするならばビンテージ、現代的に言えばクラシック。

 

呼び方は変われど、その味わい深さと独特の世界観に変わりはなく、知れば知るほど惹き込まれていく奥の深いジャンルだと言えます。

 

今回は、様々なメーカーから販売されている「現在手に入れることが出来るクラシックバイクやネオクラシックバイク」に加え、世界中にファンを持つバイクファン垂涎の名車を一挙ご紹介。

 

あなたの感性にぴったりと来る、理想の愛車探しのご参考にして頂ければ幸いです。

 

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シングルエンジンが生み出す心地よい鼓動が魅力! ~シングルエンジン編~

 

体を貫くような鼓動感と、マイペースで走れるまったりとした性格のシングルエンジンは、絶対的なスピードこそ出ないものの、昔から愛好家の多いエンジン仕様です。

 

4ストロークエンジンでも比較的構造がシンプルということもありますが、エンジンブレーキを利かせたメリハリのある走りが楽しめ、何よりも壊れにくいというメリットがあります。

 

近代的なハイテク装備満載の大型SSも魅力的ですが、乗り手の腕が速さに直結するシングルマシンは、電子装備満載の大型バイクから乗り換えるユーザーも多く、その楽しさを知ると病みつきになるほどの魅力があると言えるでしょう。

 

そんなシングルエンジン搭載バイクの中から、まずはおすすめ6車種をピックアップしてみたいと思います。

 

上品さとレトロ感に隠された高いスポーツ性 ホンダ・GB250クラブマン

 

gb250クラブマン

 

タイプグレード名 GB250 CLUBMAN(1997年モデル)
エンジンタイプ 空冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ
排気量 249cm3
最高出力 30PS/9,000rpm
最大トルク 2.5kgf・m/7,500rpm
燃料タンク 15L
始動方式 セルフスターター式
新車価格(円) 発売終了
中古車価格(円) 5万円〜105万円

 

のっけから独断と偏見で選んでしまいましたが、国産シングルスポーツの中で管理人がナンバー1に推したいのは、ホンダが1983年に発売を開始した「ホンダ GB250クラブマン」です。

 

当初は同クラスの「CBX250RS」からの派生車種として誕生しましたが、フレームとエンジンはほぼ同様ながら、60年代のマシンを彷彿とさせるノスタルジックな外観を身にまとい、非常に味わい深いルックスの持ち主です。

 

このGB250クラブマンはCBシリーズの一員として販売される予定だったのですが、

 

当時のホンダ幹部が開発中のこのマシンを視察した際、「CBは時代の先端を進んでいくイメージ、対してこれは時代を逆行している感じだ」と発言したことにより、CBの名を与えられなかったという逸話があります。

 

参考画像はほぼ全てのパーツが純正品で、かなり綺麗に保管されていた個体という前置きがつきますが、これほど高い質感で外装類まで統一されていたことは驚嘆に値しますね。

 

また、GB250クラブマンはエキパイの構造からパッと見では2気筒エンジン車に思われがちですが、実際には短気筒エンジンという非常に珍しいエンジン設計となっております。

 

これはベースとなったエンジンが海外への輸出専用車であった「ホンダ XR350R」のSOHCをDOHCに変更したことに由来するもので、8本のロッカーアームによってバルブを動かすという複雑な構造によるもの。

 

こうした特別な仕様であるため構成パーツが非常に多いのですが、最初期型ではデュアルインテークキャブを採用するなど、レスポンスの良さと高回転までよく回るエンジン特性がGB250クラブマンの大きな特徴だと言えます。

 

 

かなり特殊なエンジン構造となっておりますが、短気筒エンジン車としては珍しいほど高回転域が強く、最高出力30ps/9,000rpmという数値は現在でもなかなかお目にかかれるものではありません。

 

1997年に生産を終了したモデルであるため、吸気系は必然的にキャブ仕様のみとなっておりますが、定期的なメンテナンスさえ実施していれば非常にエンジンの耐久性が高く、長期所有しやすいのもポイント高め。

 

ここ数年の間に再評価される機会が増えたためか、毎年じんわりと値上がり傾向にありますが、2019年8月の現時点では車両価格10万円以内で入手できることも多く、クラシックバイク初心者の方にとって求めやすい価格という点も魅力的です。

 

一部ではオイル詰まりしやすく、エンジンの焼き付きトラブルが多いとも言われておりますが、管理人が以前バイク屋で整備を担当してもらった経験から言わせて頂きますと、決してそんなことはありません。

 

長期放置していた車両に多いトラブルであることは確かですが、比較的簡単にバラせる構造(実は管理人が初めてOHさせてもらったマシンは、このGB250クラブマンでした)なので、個人でメンテナンスを行う方でもとっつきやすいと言えます。

 

もし個人売買などでの購入を検討されておられる方は、購入後に安いエンジンオイルでフラッシングを行い、一度エンジン内のスラッジと古いオイルを排出するといいでしょう。

 

 

誕生から40年の超ベストセラーシリーズ ヤマハ・SRシリーズ

 

SR

 

タイプグレード名 SR400(2019年モデル)
エンジンタイプ 空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ
排気量 399cm3
最高出力 18kW(24PS)/6,500rpm
最大トルク 28N・m(2.9kgf・m)/3,000rpm
燃料タンク 12L
始動方式 キックスターター式
新車価格(円) 43万5800円〜80万円
中古車価格(円) 9万9800円〜121万3000円

 

1978年に登場して以来、キャブレターからFI化を除けば基本構造をほぼ変えることなく販売され続けてきた「ヤマハ SR400」。

 

2008年、2017年と度重なる排出ガス規制によっていったんは生産を終了するも、そのつど規制適合モデルがデビューを果たし、未だに新車で手に入るネオクラシックバイクと言えるでしょう。

 

パリ・ダカールラリーを連覇した名車「ヤマハ XT500」のエンジンをベースとし、ヤマハらしいスリム&コンパクトの扱いやすい車体へ搭載。

 

同時期に発売された500cc版の「SR500」では力強い鼓動感とパンチの効いた出力、400cc版の「SR400」では扱いやすさに重きを置いたバランスのよさが徐々に評価され、今では押しも押されもしない定番人気モデルの座を獲得するに至りました。

 

デビュー以来空冷SOHC短気筒エンジンという設計は変わらず、2016年10月に施行された「平成28年環境規制」のために一旦は生産が終了となりましたが、2018年11月から規制適合モデルがデビューし、新旧多くのファンを安堵させております。

 

最高出力27ps/7,000rpmというスペックは、400cc短気筒エンジンとしてはひとつの標準値にもなっており、いかにSR400が日本のシングルスポーツに影響があったかを物語るポイントだと言えるでしょう。

 

 

シンプルすぎるほどシンプルな作りであるためカスタム人気が非常に高く、定番であるキャブトンマフラーやカフェレーサー風シングルシート、セパハンなどがカスタムの定番。

 

しかし40年もの歴史を持つロングセラーだけあり、SR400用のパーツは星の数ほどもある状況で、新車・中古車を問わずカスタムベースにするにはもってこい。

 

元々のベースエンジンが非常にタフなため、オーバーサイズピストンなどを組み込んでも壊れにくく、シングルレースの世界ではリッターマシン顔負けのレーシングSRが活躍しております。

 

一方、XT500本来の力強い鼓動感をウリとしたSR500は、2000年をもって生産終了を迎えており、現在では中古車として入手する以外に購入手段がない状況。

 

現在では稀少車のひとつとして扱われることも多く、中古車市場ではどんなに安くても20万円以上となかなかいいお値段設定となっております。

 

玉数が少なくなっているためか、車両価格は20万円そこそこであったとしても、総支払い金額が整備などで思い切り水増し価格になっていることも多いため、SR500をお探しになる際は長い目で見た方はよいでしょう。

 

400・500共に多少の差はあれどカスタム車であることが殆どですので、フルノーマルの美車は品薄になりやすい傾向にあります。

 

 

先のヤマハによる生産終了の発表後は、さらにノーマル車両への問い合わせが増えつつあるという話も聞かれますので、気になる方は早めにあたりをつけておくことをおすすめいたします。

 

 

SR500亡き後支持される魅惑のビッグシングルマシン ロイヤルエンフィールド・クラシック500

 

ロイヤルエンフィールド,クラシック500

 

タイプグレード名 Classic 500 EFI(2015年)
エンジンタイプ 空冷4ストローク単気筒OHV2バルブ
排気量 499cm3
最高出力 20.3kW/5,250rpm
最大トルク 41.3N・m/4,000rpm
燃料タンク 14.5L
始動方式 セルフスターター式
新車価格(円) 59万8000円〜77万9000円
中古車価格(円) 39万8000円~

 

ややマニアックな海外メーカーですが、SR500生産終了後にビッグシングル愛好家から熱い注目を集めているのが、「Royal Enfield(ロイヤルエンフィールド)」の大排気量シングルマシン。

 

このロイヤルエンフィールドは1996年にインドの自動車メーカー「アイシャー・モーターズ」に買収され、現在こそインドを拠点とする傍流になってしまいましたが、実は1851にイギリスで設立された現存するもっとも古いブランドのひとつ。

 

インドに生産拠点が移った後も殆ど車体構造に変更がないまま生産され続けたため、一時期はその生産車両の全てが「これこそ本物のクラシックバイクだ」と賞賛された逸話があります。

 

そんなロイヤルエンフィールドも、1996年のアイシャー傘下入り後は欧州の厳しい環境規制をクリアすべく、FI化などで極めて近代的な作りとなりました。

 

こうして近代化したものの、伝統的なクラシックスタイルには一片の曇りもなく、今日でも世界中のクラシックバイク好きを大いに楽しませております。

 

今回、管理人がシングルマシンのおすすめとして挙げさせて頂きたいのは「ロイヤルエンフィールド クラシック500」です。

 

クラシックテイスト満載のスプリング式サドルシート、最高出力20.3kw(27.6ps相当)のロングストロークエンジン、オーバーフェンダーに流麗なボディラインと、クラシックバイクの魅力がギュッと詰まった贅沢な一台です。

 

 

今は亡きメグロ(目黒製作所)の名車を彷彿とさせるルックスは、国産シングルでは及びもつかないほど「本物の匂い」を漂わせており、多くのバイクを乗り継いできたベテラン勢ほど魅了されやすいと言われております。

 

スプリング式サドルシートのため、カタログ上のシート高は820mmと高めですが、腰を下ろせば自然に足が接地できる収まりのよい仕様となっており、豊かな低速トルクを活かした走りは実にテイスティ。

 

一発一発の鼓動感が強いロングストロークエンジンのため、腹の底に響くような力強い鼓動感があり、シングルエンジン好きなら間違いなく惚れてしまう逸品です。

 

国内4メーカーやドゥカティなどと比べるとマイナーなメーカーですが、日本各地に正規代理店があるためアフターケアの体制も整っており、新車販売価格779,000円(税込)と意外にリーズナブル。

 

玉数は少なめですが中古車市場でもそこそこ流通があり、比較的高年式の車両が40万円台から入手可能となっております。

 

スタック状態(メーカー出荷時のノーマル車)ですでにフルカスタムといった風格があり、オーナーの所有感が非常に高いモデルですので、大型二輪免許持ちの方はぜひ一度お試しください。

 

 

気品溢れるルックスが自慢の傑作シングルマシン カワサキ・エストレヤ

 

エストレヤ

 

タイプグレード名 ESTRELLA Final Edition
エンジンタイプ 空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ
排気量 249cm3
最高出力 13kW(18PS)/7,500rpm
最大トルク 18N・m(1.8kgf・m)/5,500rpm
燃料タンク 13L
始動方式 セルフスターター式
新車価格(円) 44万6900円〜61万8000円
中古車価格(円) 7万8000円〜56万2000円

 

最高出力20psと控えめなスペックではあるものの、ボア66mm×ストローク73mmというロングストロークエンジンを搭載した「カワサキ エストレヤ」は、国産シングルスポーツを語る上で外せないバイクのひとつです。

 

メグロ・W1(ダブワン)をモチーフにしたW650&800を作ったカワサキ製だけあり、往年のBSAやメグロ製のマシンを意識したクラシカルな作りが印象的で、250ccクラスながら非常に質感の高さでファンを獲得しました。

 

1992年の販売開始から四半世紀を迎えた今年2017年に生産終了がアナウンスされましたが、バーチカルエンジンを思わせる空冷フィンのエンジンヘッドなど見所は多く、復活を熱望するファンの声が多く寄せられております。

 

長い歴史の中で多くの改良が施され、途中「エストレヤRS」、「エストレヤカスタム」、「エストレヤRSカスタム」といったカスタム車両も登場。

 

2014年以降のモデルでは最大出力18psにまで引き下げられましたが、トコトコとした心地よい鼓動感はそのまま残され、多くのファンを安堵させました。

 

 

クラシックバイクらしいルックスと扱いやすいパワー感、程よく回って耐久性の高いエンジンが全モデルを通じての共通点で、中古車で購入した場合でもメンテナンスが容易な部類のマシンでもあります。

 

また、普通二輪免許で乗れて車検不要の250ccクラスという点もヒットの要因のひとつで、ノーマルの美しさを保ったライトカスタムから、BSAレプリカのフルカスタムまで多彩な楽しみ方が出来るのも魅力のひとつです。

 

控えめなパワーながらバランスの取れた性能の持ち主であることや、流れるような美しさを持ったフォルムは女性にもウケがよく、男女問わず根強い人気を誇る250ccシングルの顔役とも言うべき存在です。

 

現在の中古車市場では販売価格10万円を切る車両も多く、入門用・セカンドバイクとしての人気が徐々に高まっており、維持のしやすさ・手頃さという観点からもおすすめな一台です。

 

 

クラシックバイクの入門に適したエントリーモデル スズキ・ボルティー&ST250

 

ボルティ

 

タイプグレード名 VOLTY
エンジンタイプ 空冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ
排気量 249cm3
最高出力 15kW(20PS)/7,500rpm
最大トルク 21N・m(2.1kgf・m)/6,000rpm
燃料タンク 12L
始動方式 セルフスターター式
新車価格(円) 発売終了
中古車価格(円) 3万円〜40万円

 

厳密な意味での「クラシックバイク」とは少々テイストが異なりますが、レトロ感のあるシングルエンジン搭載マシンとして、「スズキ Volty(ボルティー)」とその後継モデル「ST250」を挙げさせて頂きます。

 

1994年から2004年まで販売された「スズキ ボルティ」は、気軽に乗れて日常使用に適した乗りやすさがウリで、新車販売価格298,000円(1994年当時・税抜)という衝撃的なロープライスを実現し、「ヤマハ SR400」によるブームもあって好評を博しました。

 

全長2,005mm×全幅770mm×全高1,075mmとコンパクトな車体を持ち、シート高が750mmと非常に足つき性がよかったこともあり、免許を取ったばかりの若い女性が購入されることも多かったように記憶しています。

 

 

スズキ車らしい耐久性の高さもウリのひとつで、愛嬌さえ感じるトコトコと鼓動感、SR400などのように本格的なクラシックスタイルでなかったこともあってか、初心者ライダーからのウケがよかったのも大きな理由のひとつと言えますね。

 

リーズナブルな価格を実現しながら、質感の高いメッキパーツが使われていた点もよく、実用一辺倒の印象が強かったスズキ車の認知度を上げる大きな役割を果たした功労者でもあります。

 

 

ST250

 

タイプグレード名 ST250 E-Type
エンジンタイプ 空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ
排気量 249cm3
最高出力 14kW(19PS)/7,500rpm
最大トルク 21N・m(2.1kgf・m)/5,500rpm
燃料タンク 12L
始動方式 セルフスターター式
新車価格(円) 38万3000円〜43万6000円
中古車価格(円) 3万6000円〜64万5800円

 

もうひとつの候補として挙げさせて頂くのは、2004年のボルティー生産終了に伴い登場した「スズキ ST250」です。

 

2003年から後継車種として販売を開始したこのST250は、ボルティーに搭載されていた4ストローク空冷SOHC4バルブエンジンを2バルブ化して継承し、最高出力19ps/7,500rpmの扱いやすさと耐久性がウリ。

 

2バルブ化によってコスト低減&低速トルクの強化を図り、2017年9月まで生産を続けるロングセールスを記録しました。

 

 

シンプルな作りで壊れにくい構造のため、シングルスポーツの定番カスタムは一通り楽しむことができる手軽さもあり、250ccクラスの中ではそれなりの安定した人気があります。

 

前後フェンダーが樹脂製になるなど、低コスト化の工夫が随所に見られる点が少し気になりますが、カスタムベース車両としては優れており、スズキシングルならではのタフさも魅力のひとつです。

 

メンテナンスに自信のない方は後期型の「ST250 E type」など、FI化モデルを選ばれると心持ち安心ですね。

 

参考画像はノーマル状態での撮影ですが、クラシカルなスポークホイールに2本サスなどオールディなルックスの持ち主ですので、マフラー交換だけのライトカスタムも◎。

 

そこまでコテコテのカスタムはしないけど、まずは雰囲気だけでも楽しんでみたい…。

 

スズキ・ST250シリーズは、そんなシングルスポーツ初心者のエントリーモデルとして最適な一台だと言えます。

 

 

 

シングルエンジン絶滅の危機? 気になる「平成28年環境規制」とは?

 

2017年9月1日より、国内4メーカーの人気車種が次々と生産終了の公式発表を行っており、「ヤマハ SR400」や「カワサキ エストレヤ」などの人気車種もその中に含まれています。

 

このことはYahoo!ニュースを始め、多くのメディアで報道されていますが、セールスが好調な車種にも関わらず生産終了となっているのは、いわゆる「平成28年環境規制」が原因。

 

今年2017年9月より適用となったこの規制は、最高時速130km/h以上のバイクを対象とし、排気ガス内の一酸化炭素を従来比56.5%まで削減しろという恐ろしいお達し。

 

その他炭化水素で37.0%、窒素酸化物で57.1%と非常に厳しいものがあり、構造上新規制値をクリアすることが困難なシングルエンジン搭載マシンが次々に規制対応不可ということで生産打ち切りというのが実情です。

 

こうなると現在流通しているバイクのうち、殆どの車種が不適合という扱いになってしまうため、バイクにとっては冬の時代の到来という悲観的な見方が多数を占めておりますが、将来的な目で見ると決してそれだけではありません。

 

突然の絶滅劇の裏には欧州で施行されている「EURO-4(ユーロ4)」との整合化という狙いがあるため、国際基準と日本の国内基準をすり合わせることにより、海外のみで販売が許されていたモデルが日本で導入できる可能性を示唆しているという見方もあるからです。

 

125ccの原付2種クラスはその最たる例と言えるもので、仮に今回の平成28年規制を各メーカーがクリアできた場合、「スズキ GSX-R125」のようなマシンが国内産として手に入る可能性すら出てくるわけです。

 

これまで私たちが慣れ親しんできた数々のバイクが生産を終えてしまうのは残念ですが、刻々と変わる世界情勢の中で日本だけが鎖国状態というわけにはいきません。

 

世界のトップメーカーであるわが国日本の開発技術を信じ、次期モデルの登場による新規性クリアに望みを託し、新たなバイクの楽しみ方を提案してくれることに期待しましょう!

 

2気筒ならでの安定感とオールドスタイルが堪らない! ~ツインエンジン編~

 

少し湿っぽい話が間に入ってしまいましたが、続けて2気筒の「ツインエンジン」を搭載するクラシックバイク(ネオクラシックバイク)に移りたいと思います。

 

シングルエンジンとツインエンジンの違いは、多気筒による出力の安定とハイパワー化にあり、短気筒エンジンよりも高回転域のおいしさを享受できる点にメリットがあります。

 

高出力化によって全域でトルクが強化されるため、低速走行時の粘り強さなど様々な恩恵がありますので、大排気量車になるにつれより上質な走りが楽しめると言えます。

 

そんなツインエンジン搭載のクラシックバイクの中から、今回は5車種をピックアップさせて頂きました。

 

いずれも世界的にファンの多い名車揃いですので、気になる方は当記事を参考に次の愛車候補として検討されてみてはいかがでしょうか?

 

伝説のバーチカルツインを復刻したクラシックブームの火付け役 カワサキ・W650-W1

 

w1

 

タイプグレード名 W650
エンジンタイプ 空冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ
排気量 675cm3
最高出力 35kW(48PS)/6,500rpm
最大トルク 54N・m(5.5kgf・m)/5,000rpm
燃料タンク 14L
始動方式 セルフ・キック 併用式
新車価格(円) 発売終了
中古車価格(円) 27万5400円〜179万円

 

今は亡きメグロの「スタミナ」こと1Kを元に、1966年に当時最大排気量のバイクとして登場した「カワサキ 650-W1(通称・ダブワン)」。

 

日本のバイク史を語る上で欠かせない伝説的なこの名車を、現代的にリメイクしたのが1998年にリリースされた「カワサキ W650」、通称・ダブロクです。

 

先代に当たる元祖ダブワンのOHVエンジンとは異なりますが、ダブワンのルックスを見事に再現したクラシカルなデザインは多くの注目を集め、国内外のオールドファンから熱狂的な支持を得ることに成功しました。

 

往年のBSAなどの名車を規範としながら、日本的に流麗なフォルムを再現したW650の車体は非常に評価が高く、べべルギア駆動の空冷バーチカルツインエンジンは後に本家・トライアンフの再興にも関する椿事であったと言えます。

 

2気筒675ccの大排気量エンジンは最高出力48ps/6,500rpmを発揮し、最大54N・mの豊かなトルクを発生。

 

中低速のトルクを活かした走りは大人の乗り物といった印象があり、やや不規則な鼓動感とともに滑らかさを感じることができます。

 

 

荒々しさが特徴であったダブワンと比べると上品なものですが、スロットルの開閉に合わせた加速力は全域で発揮され、高回転域での力強さは実にテイスティ。

 

適度な硬さのあるサスとふわりとしたシートの座り心地もよく、時間を忘れて長距離を走ってしまうほど豊かな魅力を持っております。

 

大排気量車ながら前ディスク+後ドラムという組み合わせも懐古的で、十分な制動力を発揮しつつも機械に頼らないクラシックバイクらしさが感じられ、腕自慢のファンが多いことにも納得です。

 

このスタイリングとテイスティな走り、そして全てのモデルがキャブ仕様車ということが評価され、ここ数年で海外ファンがにわかに急増。

 

参考画像のように欧米人オーナーが増加し、「現在手に入る本物のクラシックバイク」として認知されるようになりました。

 

「ニンジャ1000H2」を始め、世界的に評価がうなぎ昇りに高まっているカワサキ車ですが、生産終了から時を経た現在、海外のバイクファンから熱い視線を集めているという事実は、日本のバイクファンにとって嬉しいニュースのひとつですね。

 

現在の中古バイク市場では30万円程度から探すことが出来る状況になっており、後継モデルW800の生産終了を受けてにわかに玉数が減りつつありますが、今のところは安定した流通状況だと言えます。

 

 

W650をベースに熟成化!FI化により安定した力強さに カワサキ・W800

 

w800

 

タイプグレード名 W800 STREET(2019年モデル)
エンジンタイプ 空冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ
排気量 773cm3
最高出力 38kW(52PS)/6,500rpm
最大トルク 62N・m(6.3kgf・m)/4,800rpm
燃料タンク 15L
始動方式 セルフスターター式
新車価格(円) 84万9000円〜111万2400円
中古車価格(円) 39万8000円〜99万9900円

 

再現度の高いオールドルックスを武器に、好調なセールスを記録した「カワサキ W650」でしたが、2008年9月に施工された「排出ガス規制」をクリアすることができず、惜しまれつつもその生産を終えることになりました。

 

その後2年の空白期間を空け、欧州向け車両として先行発売を行い、返す刀で日本への返り咲きを果たしたのが、正統後継モデル「カワサキ W800」、通称・ダブハチ。

 

W650のバーチカルツインエンジンをベースにボア×ストロークを拡大し、排気量を773ccまでアップ。さらにFI化で低速トルクを強化したことで、同出力ながら非常にトルクフルな走りを武器としました。

 

W650の走りがジェントルで紳士だとすれば、このW800は「野蛮な紳士」といったフレーズがぴったりと来るもので、特に1,000回転付近での躍動感は特筆に値します。

 

排気量の拡大に伴って鼓動感も強化され、80km/h程度の速度なら実に心地よく楽しむことができます。

 

 

また、W650との違いとしてはメッキパーツの増加とタンクパッドの追加が挙げられ、「昔のバイクらしさ」に磨きがかけられております。

 

国内での発売開始と共に多くの問い合わせが殺到し、発売初年で「ネオクラシックの大本命」「帝王」といった高い評判を得ることに成功し、生産終了1年が経過した現在も非常に高い人気を維持し続けています。

 

現在の中古車相場価格は40万円程度から入手可能で、じわじわと値上がりしつつも手を出しやすい価格帯に留まっております。

 

現在も新車で入手可能な車種であり、社外カスタムパーツもまだまだ入手しやすい状況にありますので、カスタムで楽しまれる方のベース用としてもおすすめです。

 

 

 

往年の名車が現代的装備と共に復活! トライアンフ・ボンネビルT100

 

ボンネビルT100

 

タイプグレード名 Bonneville T100 (2016モデル)
エンジンタイプ 水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ
排気量 900cm3
最高出力 40kW(55PS)/5,900rpm
最大トルク 81N・m/3,280rpm
燃料タンク 14L
始動方式 セルフスターター式
新車価格(円) 123万1000円〜127万円
中古車価格(円) 58万3200円〜115万円

 

クラシックバイクなのに水冷エンジン?といぶかしむファンもおられるのですが、

 

2016年10月に空冷エンジンから水冷エンジン化して再登場した「トライアンフ ボンネビルT100」もビッグツイン搭載のクラシックバイクとしておすすめです。

 

クラシックバイクの名門であるトライアンフの伝統シリーズである「ボンネビル」の名を襲名し、排気量を900ccまでボアアップ。

 

電子制御スロットル「ライド・バイ・ワイヤ」とトラコンを実装し、ABSにトルクアシストクラッチなど、数々の現代的装備で武装した極めて現代的なクラシックバイクだと言えます。

 

 

中味はすっかりと変わってしまいましたが、バーチカルツインの美しさとルックスは継承され、クラシックバイクらしさを残した近代的なリファインが施されております。

 

ABSによる高い制動力、トラクションコントロールによる安定した車体の挙動が大きなウリとなっており、現在市販されているクラシックバイクの中では非常に扱いやすい車種として知られております。

 

(水冷エンジンのクラシックバイクなんか邪道だ)と評する声もあるものの、先に施行された「平成28年環境規制」など、近年のバイク業界を取り巻く厳しさを考えると、このボンネビルT100は他社に先んじてクラシックバイク(ネオクラシックバイク)の指針となるものという見方もできます。

 

賛否両論あることは確かですが、乗りやすさ・味わい深さ・ビジュアル性など非常に高品質なことは間違いないマシンですので、食わず嫌いせずに試乗されてみてはいかがでしょうか?

 

 

名門ドゥカティが贈るオールドスタイル! ドゥカティ・スポーツクラシック スポルト1000

 

スポルト1000

 

タイプグレード名 Sport 1000 Biposto
エンジンタイプ 空冷4ストロークL型2気筒2バルブ
排気量 992cm3
最高出力 61kW(83PS)/8,000rpm
最大トルク 83N・m(8.5kgf・m)/6,000rpm
燃料タンク 15L
始動方式 セルフスターター式
新車価格(円) 発売終了
中古車価格(円) 89万9000円〜159万円

 

「カワサキ W650」の登場以来、愛好家を着実に増やし続けてきたネオクラシック。

 

バイク本来の奥深さや走行時の鼓動感、速度だけに捉われない味わいのあるルックスなど、多くの魅力を再認識する流れが世界的にも広まりました。

 

その流れはイタリアを代表する名門・ドゥカティにも影響を与え、2000年のMH900eを始めとし多くのクラシカルなバイクを世に送り出しております。

 

中でも管理人が今回おすすめしたいのは、「ドゥカティ スポーツクラシックシリーズ」。

 

 

一流の走りで知られるドゥカティ車らしく、マレリ製FIと定評のある空冷L型2気筒デスモエンジンを組み合わせ、マルゾッキ製倒立フロントフォークという極めてレーシーな作りとなっております。

 

これほどレーステクノロジー満載の作りながら、決してスポーツバイクっぽくないのがドゥカティの真骨頂で、トラクションコントロールなどの電子デバイスは一切なし。

 

乗り手の腕一本で勝負するという70年代のカフェレーサーを現代的に再現した、腕自慢をついついその気にさせてしまう奥深さを持った一台です。

 

ハンドル位置が低く前傾が強いのが街乗りには辛いところですが、それだけに雰囲気は抜群。

 

古めかしさを感じる70年代風の書体を採用したロゴなど見所も多く、乗っていて自慢できるちょっとした「通な一台」とも言えるでしょう。

 

乾式クラッチのケアなど、メンテナンス知識と技術が要求されるモデルではありますが、それだけにクラシックバイクを所有しているという充実感があることは間違いなく、これら全てを総合的に評価するオーナーが多いマシンです。

 

 

通人を唸らせる大人の色気溢れるカフェレーサー モトグッツィ・V7レーサー

 

モトグッツイ,V7レーサー

 

タイプグレード名 V7 Racer(2015年モデル)
エンジンタイプ 空冷4ストロークV型2気筒OHV2バルブ
排気量 744cm3
最高出力 37kW(50HP)/6,200rpm
最大トルク 60N・m/2,800rpm
燃料タンク 22L
始動方式 セルフスターター式
新車価格(円) 発売終了
中古車価格(円) 59万8000円〜92万8000円

 

大きく左右に張り出したシリンダーヘッドが描く「Vライン」、70年代の大レースで華々しい成績を上げていたイタリアの名門・モトグッツィ。

 

そんな名門メーカーである同社が、71年にリリースした伝説的なカフェレーサー「V7スポーツ」をモチーフにし、シンボルマークの赤フレームと現代的な装備でリメイクしたのが、2010年にミラノショーでデビューした「モトグッツィ V7レーサー」です。

 

空冷90°V型2気筒744ccエンジンによる最高出力は、ベースモデルとなった「V7クラシック」より10psもパワーアップし、縦置き空冷90度のVツイン+OHVという前時代的なレイアウトを保持しながら、よく回るエンジンへと生まれ変わりました。

 

前後サスもオンロード向けにハードなセッティングを施され、上品なメッキ仕上げタンクにシングルシートと雰囲気抜群で、これにブレンボ製ディスクブレーキシステムが組み込まれているわけですから走らないわけがありません。

 

縦置きVツインエンジンの持つ心地よい鼓動感を味わいながら、スロットルを開放していくと高回転でのパンチの効いた加速力とアベレージに驚かされます。

 

絶対速度的にはそれほど速くはないのですが、体感速度の爽快感と伸び伸びとした加速は独特のものがあり、70年代のカフェレーサーはこういうものだったのか…と目から鱗が落ちる思いがします。

 

Vツインエンジンならではのはっきりとした爆発の感覚、現代力学に基づいて設計された剛性度の高いフレーム、シャフトドライブによる滑らかなシフト感と、70年代のスタイリングながら極めて現代的な扱いやすさがあり、何ともいえない快感が味わえます。

 

 

見た目レトロ・中味最新装備、という点においては、「トライアンフ ボンネビルT100」や「ドゥカティ スポーツクラシックシリーズ」と同じですが、左右に張り出したエンジンヘッドとテライオロッソ(真紅のフレームを意味するイタリア語)は、名門カフェレーサーの純血種の証。

 

現在では後継モデルの位置付けにある「モトグッツィ V7-Ⅱレーサー」が好調なセールスを記録していますが、管理人としては味わい深さでこちらをおすすめしたいと思います。

 

現在の中古車市場では70万円前後から取引されており、比較的値動きが大人しい傾向にあります。

 

乗っているとベテランライダーから一目置かれること間違いなしの一台ですので、ちょっとマニアックな車種をお探しの方や、6~70年代の「本物」の空気を楽しみたい方におすすめです。

 

 

 

世界中のファンを魅了した伝説のマシン達 ~クラシックバイク名車編~

 

ここまでは現在入手できるクラシックバイク(ネオクラシックバイク)をピックアップしてご紹介させて頂きましたが、平成28年環境規制の影響で生産終了となったモデルも多く、クラシックバイクは文字通り「クラシカルな存在」になりつつあります。

 

私たちは奇しくもバイクの歴史の中の重要なターニングポイントに立ち会っているわけですが、ここで各時代においてひとつの伝説を築き上げた名車たちをご紹介させて頂きたいと思います。

 

いずれもその時代において当時のファンを熱狂させた情熱的なマシンで、画期的なスペック・圧倒的な質感など個性的なものばかり。

 

「古きを知り新しきを知る」ことにより、これからのバイクの楽しみ方をあなた流に模索されてみるのもまた一興ではないでしょうか?

 

世界500台限定!SRの究極進化形マシン BSA・BSA-SR

 

BSA-SR

 

タイプグレード名 BSA-SR(1997年)
エンジンタイプ 当時のSR400と同じ
排気量 同上
最高出力 同上
最大トルク 同上
燃料タンク 同上
始動方式 同上
新車価格(円) 発売終了
中古車価格(円) 不明

 

クラシックバイクの名門メーカー・BSA製のフレームに、「ヤマハ SR400」のエンジンを搭載したモデルが存在したことをご存知でしょうか?

 

この夢のコラボレーションは、1997年に全世界限定500台のみが製造された「BSA-SR」。

 

 

アンダーループが2本あるなど、非常に特徴的な設計仕様となっており、クラシック感とレーシーさが同居しているのが最大の特徴で、バリエーションの異なる3タイプが製造・販売されました。

 

「BSA ゴールドSR」は、ノートンの「フェザーベッド」をベースに新設計され、アルミタンクとCRキャブ、BSA製マフラーなどで仕上げた正統派クラシックモデル。

 

SRの定番カスタムのひとつ「ノートンレプリカ」は、このゴールドSRを範にしたものだと言えます。

 

「BSA クラブマンSR」は、往年の名車「ノートン マンクス」をイメージした純正レプリカとも言えるマシンで、マンクスのものを再現したアルミタンクやメガホンマフラーを装着し、クラシックレーサースタイルが渋い一台です。

 

そして3つ目は、AJSがマチレス名義で1959年に発売した「G50」のレプリカモデルとなる「BSA G40 SR」です。

 

排気量500ccのエンジンを搭載したことにちなみ、「G50」と命名されたことへのオマージュとして「G40」の名がつけられました。

 

タンク後方部の大胆なエグリで、シングルシート装着によるクラシックレーサースタイルがこのモデルの特徴。

 

日本には静岡に本拠を構えるカスタムパーツメーカー「デイトナ」の手により、約200台が輸入されました。

 

 

日本バイク史上の生き字引き的名車! カワサキ・650-W1(ダブワン)

 

650-W1

 

タイプグレード名 W1(1967年モデル)
エンジンタイプ 空冷4ストローク並列2気筒OHV
排気量 624cm3
最高出力 45PS/6,500rpm
最大トルク 5.2kgf・m/5500rpm
燃料タンク 15L
始動方式 キックスターター式
新車価格(円) 発売終了
中古車価格(円) 65万円〜228万円

 

1966年に国内最大排気量バイクという鳴り物入りで登場し、「ダブワン」の名で知られる「カワサキ 650-W1」。

 

624ccの空冷バーチカルツインエンジンを搭載し、カワサキ4ストロークエンジンの元祖とも言うべき存在です。

 

当時はまだZシリーズは構想すらされておらず、輸出専用モデルであったツインキャブ仕様のW2TT(スクランブラースタイル)には、なんと消音材のバッフルがないマフラーが装着されるなど異例尽くしでした。

 

また、原型である「メグロ 1K(通称・スタミナ)」の名残りで、1971年のW1スペシャルまで、「右足シフト・左足ブレーキ」という現代とは真逆の仕様となっておりました。

 

 

後の1972年にZシリーズの始祖である「カワサキ Z1」の登場までカワサキのフラッグシップであり続け、現在でも熱烈な愛好家がついているモデルです。

 

後にデザインとバーチカルツインエンジンを継承した「カワサキ W650」、FI化した後継モデル「カワサキ W800」が好調なセールスを記録したことからもお分かり頂けるように、日本におけるクラシックバイクの生き字引き、とも言えるマシンです。

 

数は少ないながらも時折中古バイク市場に出回ることがあるのですが、左シフトのW1スペシャルを「オリジナルのダブワンだ」と言い張り、無茶苦茶なプレミアを乗せる業者も。

 

世界的に見ても稀少車であることに間違いはありませんが、購入にあたっては慎重な見極めを要するマニア垂涎の一台です。

 

 

日本の技術力を世界に知らしめた60年代を象徴する名車 ホンダ・ドリームCB72

 

CB72

 

タイプグレード名 CB72(1959年モデル)
エンジンタイプ 空冷4ストローク並列2気筒OHC2バルブ
排気量 247cm3
最高出力 24ps(18.0 kw)/9,000rpm
最大トルク 2.06kg・m(20.2N・m)/7,500rpm
燃料タンク 不明
始動方式 不明
新車価格(円) 発売終了
中古車価格(円) 75万円~140万円

 

1960年に登場し247ccという小排気量ながら、最高出力24psというパワーに最高時速155km/hという驚異的な走行性能で世のライダーを沸かせたのが、「ホンダ ドリームCB72」。

 

通称「ナナニイ」の名で呼ばれるこのマシンは、1955年から開催されたいた「全日本オートバイ耐久ロードレース」、市販車部門の「全日本モーターサイクルクラブマンレース」へのエントリーモデルといった位置付けで開発され、随所にレースで培われた技術がフィードバック。

 

CBシリーズの冠名であった「ドリームCB」を体現するかのような、まさしく「夢」の仕様であり、テレスコピック式フロントフォークなど、当時の最新鋭技術が惜しみなく採用されました。

 

 

車体各部にあしらわれた数々のメッキパーツや、当時の市販ロードスポーツ車では珍しいセルスターターの採用など、現在のCBシリーズの基幹コンセプトが随所に見受けられ、このCB72を以って「CBシリーズの本当の意味での始祖」と評するファンも。

 

1968年に後継モデル「ドリームCB250」の登場により生産を終えましたが、生産中に正式なプレスリリースなしで細かい改良が行われ、現存する車両のパーツがオリジナルなのか否かを見分けることが非常に困難なことでも知られております。

 

現在でも少数ながら流通してはいるものの、前述の理由でレストア車との区別がつきにくく、「カワサキ 650-W1」同様、信頼できる業者選びが肝心な名車のひとつだと言えるでしょう。

 

 

 

英国バイク史上に残る傑作マシン ノートン・ドミネーター650SS

 

ノートン,ドミネーター650SS

 

タイプグレード名 不明
エンジンタイプ 不明
排気量 不明
最高出力 不明
最大トルク 不明
燃料タンク 不明
始動方式 不明
新車価格(円) 不明
中古車価格(円) 不明

 

2016年に日本国内限定10台というごく少数が販売されたことで話題を呼んだ「ノートン ドミネーターSS」。

 

 

この原型となるのが、1960年代に発売されていた「元祖ドミネーター」こと「ノートン ドミネーター 650SS」です。

 

1898年に設立されたノートンは短気筒エンジンを得意とし、当時のモータースポーツ界を賑わせ続けたイギリスを代表するメーカーのひとつ。

 

エンジンの両サイドから独立し、それぞれの後方へと流れる独特のマフラー、「ノートン・フェザーベッド」の異名で知られるフレームワークを採用し、当時ノートンの最高級マシンとして知られた一台です。

 

ノートンの象徴であるアルミタンク、レーシーなシングルシート、当時の技術と歴史を物語る前後ドラムブレーキなど非常に見所が多く、このドミネーター650SSを含めた650ccシリーズは、今でも熱狂的なファンが存在する本物のクラシックバイクのひとつ。

 

それだけに2016年の限定受注販売の話題は、多くのクラシックバイクファンを驚かせた椿事であったことは言うまでもありません。

 

入荷即売約となるケースが圧倒的に多く、中古車市場でもなかなかお目にかかれないバイクのひとつで、クラシックバイク好きにとっては高嶺の花ともいうべき存在だと言えるでしょう。

 

 

ハーレーファン垂涎のビンテージマシン! 陸王・VFD1200&VFE1200

 

陸王,VFD1200

 

タイプグレード名 不明
エンジンタイプ V型2気筒エンジン+チェーンドライブ
排気量 1,200cm3
最高出力 28PS
最大トルク 不明
燃料タンク 不明
始動方式 不明
新車価格(円) 不明
中古車価格(円) 不明

 

1912年、日本陸軍によって初めて輸入された「ハーレーダビッドソン」を始祖とし、日本国内で製造された「和製ハーレー」こと「陸王」。

 

生産された期間は1933~59年までで、全てのモデルがハーレーダビッドソンのライセンス許可を得たもので、V型2気筒エンジン+チェーンドライブという旧駆動系であるのが特徴です。

 

中でも好事家の間で人気を集めているのが、「陸王 VFD1200」及び「陸王 VFE1200」で、1937年から50年まで生産されたこのモデルは、陸王シリーズで最初に国内生産された兄弟車。

 

排気量から察しがつくように、原型は「ハーレーダビッドソン VLE1200」で、当時の販売元であった「三共内燃機」から、公募によって決定した「陸王内燃機」に変わったことを示す記念碑的な意味でもマニアックな人気があるモデルです。

 

 

このVFD1200&VFE1200は、前時代的なガーダーリンク式サスペンションや後輪固定式シャーシを最後まで採用し、世界大戦前のハーレー車の技術を語る稀少なマシンという側面もあります。

 

最高出力は28psと、1,200ccもの大排気量車としては意外なほど低出力ですが、この数値は当時のバイクとしてはかなり高いもので、歴史を感じさせるスペックだと言えます。

 

中古車市場に出回ることは殆どなく、マニア間での庭先取引が主な流通となっており、クラシックハーレーを語る上でも非常に稀少な存在となっております。

 

 

【番外編】世界中のドゥカティストが崇めるレジェンドマシン ドゥカティ・アポロ

 

アポロ

 

タイプグレード名 ドゥカティ アポロ
エンジンタイプ L型4気筒OHV
排気量 1260cm3
最高出力 100PS以上
最大トルク 不明
燃料タンク 不明
始動方式 不明
新車価格(円) 無し
中古車価格(円) 無し

 

イタリアの名門・ドゥカティが社運を賭け、アメリカ市場への進出のために全力で開発した伝説的なマシンが、1963年に開発された「ドゥカティ APORO(アポロ)」。

 

当時としては前代未聞のL型4気筒OHV1,260ccエンジンを搭載し、100ps超えのモンスターマシンとして開発された一台です。

 

このアポロのハイスペックぶりは、当時このマシンのハイパワーを受け止められる市販タイヤが存在しなかったという事実もあり、試作車両1台のみが現存するだけという事実からも汲み取ることができます。

 

 

現在の所有者は大分・湯布院にある高名な私設博物館「岩下コレクション(正式名称は「九州自動車歴史館)」で、2016年4月16日から18日にかけて発生した大地震の影響を受け、安否が非常に心配されていました。

 

しかし、損害は車体の転倒(それも保護用の鉄柵にもたれかかる形での半転倒に留まった)で済み、現在では奇跡的にほぼ無傷の状態で展示されているとの事です。

 

世界で1台しか存在しないスペシャルマシンだけあり、時価評価額は何と2億円。

 

世界中のドゥカティストたちの本尊とも言える存在で、「レジェンドマシン」というしかない一台です。

 

余談ですが、湯布院の岩下コレクションは「世界のモーターサイクル歴史館」と命名されたコーナーがあり、インディアンやラベルダなどのビンテージバイクが所狭しと展示されており、九州ツーリングの定番スポットとしてカルトな人気を博しております。

 

今後はSR400もプレミア化? クラシックバイクは今が買い時!

 

以上、全17台のクラシックバイクをご紹介させて頂きましたが、皆さんの心の琴線に触れるマシンはありましたでしょうか?

 

伝説のワンオフ車「ドゥカティ アポロ」を始め、こうしてみるとクラシックバイクというジャンルは、オートバイという乗り物の原型として普遍の魅力にあふれた存在であることが分かります。

 

以前多くのメディアで話題を集めていた「平成28年規制」を筆頭に、バイク・自動車を取り巻く状況は非常に厳しいものがあり、ベストセラーモデルの「ヤマハ SR400」ですら時流に抗えず一時的に生産終了を迎えてしまいました。

 

世界トップクラスの技術力を誇る国内4メーカーによる新技術により、次期モデルの登場に期待が寄せられてはおりますが、「カワサキ Z400FX」や「ホンダ ドリームCB400Four」たちが辿ったように、今後は絶版車としてプレミア化することも十分予想されます。

 

バイク本来が持つ鉄の塊感、電子デバイスなどによるアシストがないことによるテイスト、そして何より見ていて美しさを感じるデザインなど、飽きのこないクラシックバイクは色褪せない魅力のある人気ジャンルのひとつです。

 

実際、SR400のファイナルエディションなどには、発表後に多くの問い合わせが寄せられたそうで、クラシックバイクを気軽に楽しむには今が最後のチャンスなのかも知れません。

 

クラシックバイクに乗りたい…と少しでも心が動かれた方は、ぜひ今のうちにお近くのショップを探して試乗してみることをおすすめいたします。

 

 

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